
十月二十三日は「十三夜(じゅうさんや)」です。十三夜とは旧暦九月十三日の夜のことで、九月の十五夜(中秋の名月)に次いで、秋の月を愛でる日として親しまれてきました。
十五夜の月見が中国から伝わった風習であるのに対し、十三夜の月見は日本独自のものとされています。十五夜の月を「前の月」と呼ぶのに対して、十三夜の月は「後の月(のちのつき)」や「名残の月」とも呼ばれます。十三夜の月は満月ではなく、少し欠けた姿をしています。その満ちきらない月の美しさも、古くから愛でられてきました。
十三夜の月見がいつ始まったのか、詳しいことはわかっていません。平安時代の延喜十九年(919)に月見の宴が催されたという伝承があり、藤原宗忠の日記『中右記(ちゅうゆうき)』の保延元年(1135)九月十三日の条にも、明月の宴についての記録が残されています。少なくとも平安時代には、十三夜の月を楽しむ風習があったようです。
また、十三夜は「豆名月」「栗名月」とも呼ばれます。十五夜を「芋名月」と呼ぶのに対し、十三夜には、この時期に収穫される枝豆や栗などを月に供える風習があります。月見団子も、十五夜には十五個、十三夜には十三個を供える地域があり、秋の実りに感謝する行事としても受け継がれてきました。
十五夜の月見だけをして十三夜の月見をしないことを「片月見(かたつきみ)」と呼び、縁起がよくないとする風習もあります。秋の夜長、空を見上げて、月を眺めてみてはいかがでしょう。
撮影:小室三喜雄 / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』(淡交社)
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