月見団子|名月に供える秋の味

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十五夜のお供えといえば、月見団子。古くから中秋の名月を眺めながら団子を供え、その後にいただく風習が受け継がれてきました。

月見団子は、月に見立てて丸く作ったものを供えるのが一般的です。十五夜には十五個、十三夜には十三個を供えるところもあります。

中国でも、中秋節には月を愛で、月餅(げっぺい)を供えたり、家族で分け合って食べたりする風習があります。丸い月餅には、満月のように家族が円満に集うことへの願いが込められているといいます。日本の十五夜にもこうした中国の風習の影響があるとされ、月見団子を供える習慣は、江戸時代になると広く行われるようになりました。

ただし、月見団子の形や供え方は、土地によってさまざまです。静岡県では、富士川より西の中部・西部地域に、この地域特有の「へそ餅」と呼ばれる月見団子があります。これは餅の真ん中を、へそのようにくぼませた独特の形をしています。

さらに興味深いのは、へそ餅にはその年の新米を使うという伝えがあることです。新米がまだできていない時には、わずか数粒でも新米を古米に混ぜて作ったといいます。旧暦八月から九月は、稲の収穫を迎える大切な時季。月見の団子には、月を愛でるだけでなく、秋の実りへの感謝も込められてきました。

さて、中秋の名月にあたる十五夜ですが、実は十五夜の月は、必ずしも満月とは限りません。

今年は昨日二十五日が十五夜でしたが、満月を迎えるのは明日二十七日の午前一時四十九分。中秋の名月と満月の日付が二日ずれています。

旧暦では、新月を迎える日をその月の一日として数えるため、十五日の月は満月に近くなります。しかし、月が地球のまわりを回る速さは一定ではないことなどから、十五夜と満月の時刻にはずれが生じます。同じ日になる年もあれば、一日、二日とずれることもあるのです。

昨日は中秋の名月。そして明日は満月。月見団子をいただきながら、今宵も秋の夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

撮影: hidekanba/ PIXTA(ピクスタ)

参考文献

『茶趣をひろげる歳時記百科』(淡交社)
農林水産省「うちの郷土料理 へそもち 静岡県」
国立天文台「中秋の名月(2026年9月)」

 

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