蟄虫坏戸|虫が土に隠れるころ

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九月二十八日頃は、七十二候の「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」。虫たちが土の中などに隠れ、冬ごもりの準備を始める頃です。

今年も厳しい暑さが続き、九月も終わろうというのに、日中はまだ暑さを感じる日があります。それでも朝晩の空気や日暮れの早さなど、ふとしたところに秋の訪れを感じるようになりました。

「蟄(ちつ)」とは、虫などが地中にこもること。「坏戸」の「戸」は、虫たちがこもる穴の入口を指します。

ここでいう「虫」は、現在のように昆虫だけを指すものではありません。もともと「虫」という字は蛇をかたどった象形文字で、ヘビをはじめ、蛙や蜥蜴(とかげ)などの生きものも広く含んでいました。こうした生きものたちが、寒い季節を前に土の中などへ姿を隠していくのです。

春の七十二候には、これと対になる「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」があります。冬の間じっとしていた虫たちが、戸を開くように姿を現す頃を表す候です。

春には戸を開き、秋には戸を閉じる。まだ日中は暑さの残る毎日ですが、小さな生き物たちの営みに目を向ければ、季節は刻一刻と次へ向かっていることに気づかされます。

 

 

 

撮影:runa / PIXTA(ピクスタ)

参考文献

『茶趣をひろげる 歳時記百科』(淡交社)

  株式会社ツムラ「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ):七十二候」

 

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