茶席の銘|九月

九月の茶席で用いられる茶杓の銘を、時期ごとにまとめました。

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九月 上旬

【時候】

初秋(しょしゅう)|秋の初め

新涼(しんりょう)|秋になって初めての涼しさ

清涼(せいりょう)|清らかな涼しさ

爽涼(そうりょう)|爽やかな秋の涼しさ

澄む秋(すむあき)|の澄みゆく秋

秋興(しゅうきょう)|秋の景に起こる興趣

秋懐(しゅうかい)|秋の景に抱く思い

傷秋(しょうしゅう)|秋の深まりに物思う心

 

【天文・地理】

空澄む(そらすむ)|澄みわたる秋の空

色無き風(いろなきかぜ)|五行の白に配される秋風

素風(そふう)|「素」の白にちなむ秋風

狭霧(さぎり)|秋に立つ霧

朝霧(あさぎり)|秋の朝に立つ霧

夕霧(ゆうぎり)|秋の夕べに立つ霧

夜霧(よぎり)|秋の夜に立つ霧

山霧(やまぎり)|山に立ちこめる霧

野霧(のぎり)|野に立ちこめる霧

霧の籬(きりのまがき)|籬に立ちこめる霧

霧襖(きりぶすま)|襖のように立ちこめる霧

降り月(くだりづき)|満月を過ぎ欠けてゆく月

下弦の月(かげんのつき)|夜半に昇る欠けゆく半月

星走る(ほしはしる)|流星が走るさま

流星(りゅうせい)|夜空を流れる星

不知火(しらぬい)|秋の夜の海上に現れる怪火

 

【動植物】

一葉(いちよう)|一枚の落葉に秋を知ること

桐一葉(きりひとは)|桐の一葉に秋を知ること

浅茅(あさぢ)|丈の低い茅

稲負鳥(いなおせどり)|秋の鳥をいう古称

綿摘む(わたつむ)|実った綿を摘み取ること

秋津(あきつ)|蜻蛉の古名

勝虫(かちむし)|退かぬことにちなむ蜻蛉の異称

秋茜(あきあかね)|秋に見られる赤蜻蛉

 

【暮らし・年中行事】

二百十日(にひゃくとおか)|立春から二百十日目

風袋(かざふくろ)|風を鎮めるための習俗

風神(ふうじん)|風を司る神

日待ち(ひまち)|夜を明かして日の出を待つ行事

初鷹野(はつたかの)|秋初めの鷹狩

鳩笛(はとぶえ)|鳩の形をした笛

兎鼓(うさぎつづみ)|兎をかたどった玩具の鼓

忘扇(わすれおうぎ)|秋に使われなくなった扇

忘団扇(わすれうちわ)|秋に使われなくなった団扇

 

九月 中旬

【時候】

中秋(ちゅうしゅう)|秋三か月の中頃

清涼(せいりょう)| 清らかな涼しさ

爽涼(そうりょう)|爽やかな秋の涼しさ

夜長(よなが)|秋になり長くなる夜

長夜(ながよ)|秋の長い夜

 

【天文・地理】

白露(はくろ)|秋の第三の二十四節気

白露(しらつゆ)|草木に宿る白い露

露の玉(つゆのたま)|玉のように光る露

露の袖(つゆのそで)|露に濡れた袖

萩の露(はぎのつゆ)|萩の葉に宿る露

菊の雫(きくのしずく)|菊に宿る露

色無き風(いろなきかぜ)|五行の白に配される秋風

素風(そふう)|「素」の白にちなむ秋風

狭霧(さぎり)|秋に立つ霧

朝霧(あさぎり)|秋の朝に立つ霧

夕霧(ゆうぎり)|秋の夕べに立つ霧

夜霧(よぎり)|秋の夜に立つ霧

山霧(やまぎり)|山に立ちこめる霧

野霧(のぎり)|野に立ちこめる霧

霧の籬(きりのまがき)|籬に立ちこめる霧

霧襖(きりぶすま)|襖のように立ちこめる霧

野分(のわき)| 野を分けるほどに吹く秋風

野分晴(のわきばれ)|野分が過ぎた後の晴天

秋霖(しゅうりん)| 秋に降り続く長雨

秋雨(あきさめ)|秋に降る雨

秋水(しゅうすい)|秋の澄みわたる水

雨月(うげつ)|名月の夜に雨で月が見えぬこと

月影(つきかげ)|月の光

月の鏡(つきのかがみ)|鏡に見立てた月

夕月夜(ゆうづきよ)|夕月の出ている夜

三日の月(みっかのつき)|三日頃に出る細い月

月の眉(つきのまゆ)|細い月を眉に見立てた語

弓張月(ゆみはりづき)|弓を張った形に見立てた月

秋の潮(あきのしお)|秋の海の潮

水澄む(みずすむ)|秋になり水が澄むこと

 

【動植物】

秋茜(あきあかね)|秋に見られる赤蜻蛉

吹上(ふきあげ )|萩の名所にちなむ語

宮城野(みやぎの)|萩で名高い歌枕

鹿鳴草(しかなぐさ)|鹿との縁にちなむ萩の異称

鹿妻草(しかつまぐさ)|鹿との縁にちなむ萩の異称

萩の宿(はぎのやど)|萩の咲く宿

萩の主(はぎのあるじ)|萩にちなむ語

こぼれ萩(こぼれはぎ)|こぼれるように咲く萩

萩の下露(はぎのしたつゆ)|萩の下葉に宿る露

月見草(つきみぐさ)|夕方に開く黄色い花

小男鹿(さおじか)|雄の鹿

下り鮎(くだりあゆ)|産卵のため川を下る鮎

落ち鮎(おちあゆ)|産卵のため川を下る鮎

千草(ちぐさ)|さまざまな秋草

千草の花(ちぐさのはな)|さまざまに咲く秋草の花

八千草(やちぐさ)|数多くの秋草

芒野(すすきの)|芒の広がる野

芒原(すすきはら)|芒の生い茂る原

むら芒(むらすすき)|群がって生える芒

真葛原(まくずはら)|葛の生い茂る原

虫の音(むしのね)|秋の虫の鳴き声

虫の声(むしのこえ)|秋の虫の鳴き声

虫時雨(むししぐれ)|虫の声が重なって聞こえるさま

松虫(まつむし)|秋に鳴く虫

月鈴子(げつれいし)|松虫の異称

邯鄲(かんたん)|秋に鳴く虫

ちんちろ(ちんちろ)|松虫の鳴き声

ちんちろりん(ちんちろりん)|松虫の鳴き声

天津雁(あまつかり)|空を渡る雁

二季鳥(にきどり)|雁の異称

雁の文(かりのふみ)|雁に託した便り

雁が音(かりがね)|雁の鳴く声

 

【暮らし・年中行事】

重陽(ちょうよう)|九月九日の五節句の一つ

登高(とうこう)|重陽に高所へ登り厄を払う習俗

被綿(きせわた)|重陽に菊へ綿を被せる習俗

菊襲(きくかさね)|菊にちなむ襲の色目

菊枕(きくまくら)|菊の花を詰めた枕

猩々(しょうじょう)|酒と長寿にちなむ伝説上の存在

菊慈童(きくじどう)|菊の露で長寿を得たという故事

齢草(よわいぐさ)|長寿にちなむ菊の異称

千代見草(ちよみぐさ)|千代の長寿にちなむ菊の異称

勝草(まさりぐさ)|花に勝るとされた菊の異称

百代草(ももよぐさ)|長寿にちなむ菊の異称

契草(ちぎりぐさ)|契りにちなむ菊の異称

二百二十日(にひゃくはつか)|立春から二百二十日目

忘扇(わすれおうぎ)|秋に使われなくなった扇

忘団扇(わすれうちわ)|秋に使われなくなった団扇

虫籠(むしかご)|秋の虫を入れる籠

砧槌(きぬたづち)|砧を打つための槌

砧打つ(きぬたうつ)|布を砧で打つこと

衣打つ(ころもうつ)|衣を砧で打つこと

添水(そうず)|水音を立て鳥獣を追う仕掛け

 

九月 下旬

【時候】

夜長(よなが)|秋になり長くなる夜

長夜(ながよ)|秋の長い夜

惜夜(あたらよ)|明けるのが惜しまれる夜

秋夜(あきよ)|秋の夜

夜半の秋(よわのあき)|秋の夜半

 

【天文・地理】

秋雨(あきさめ)|秋に降る雨

秋水(しゅうすい)|秋の澄みわたる水

雨月(うげつ)|名月の夜に雨で月が見えぬこと

月影(つきかげ)|月の光

月の鏡(つきのかがみ)|鏡に見立てた月

夕月夜(ゆうづきよ)|夕月の出ている夜

三日の月(みっかのつき)|三日頃に出る細い月

月の眉(つきのまゆ)|細い月を眉に見立てた語

弓張月(ゆみはりづき)|弓を張った形に見立てた月

秋の潮(あきのしお)|秋の海の潮

水澄む(みずすむ)|秋になり水が澄むこと

待宵(まつよい)|十五夜の前夜

小望月(こもちづき)|満月を待つ十四夜の月

十四夜月(じゅうしやづき)|十五夜前日の月

名月(めいげつ)|中秋十五夜の月

芋名月(いもめいげつ)|里芋を供える十五夜の月

三五夜(さんごや)|十五夜の異称

良宵(りょうしょう)|名月の明るい宵

良夜(りょうや)|月の明るい秋の夜

玉兎(ぎょくと)|月の兎にちなむ月の異称

月の桂(つきのかつら)|月に桂があるという伝説

嫦娥(じょうが)|月に住むとされる仙女

月の雨(つきのあめ)|名月の夜に降る雨

十六夜(いざよい)|十五夜の翌夜の月

既望(きぼう)|望月の翌日

立待月(たちまちづき)|立って待つほどに出る月

臥待月(ふしまちづき)|臥して待つほど遅く出る月

更待月(ふけまちづき)|夜更けを待って出る月

二十三夜(にじゅうさんや)|二十三日頃の下弦の月

明の月(あけのつき)|夜明けの空に残る月

夜半の月(よわのつき)|夜半に見る月

月夜(つきよ)|月の明るい夜

有明月(ありあけづき)|夜明けの空に残る月

残月(ざんげつ)|明け方まで残る月

 

【動植物】

千草(ちぐさ)|さまざまな秋草

千草の花(ちぐさのはな)|さまざまに咲く秋草の花

八千草(やちぐさ)|数多くの秋草

芒野(すすきの)|芒の広がる野

芒原(すすきはら)|芒の生い茂る原

むら芒(むらすすき)|群がって生える芒

真葛原(まくずはら)|葛の生い茂る原

花野(はなの)|秋草の花が咲く野

芋の秋(いものあき)|里芋の収穫を迎える頃

曼殊沙華(まんじゅしゃげ)|秋彼岸頃に咲く彼岸花

穂波(ほなみ)|稲穂が波のように揺れるさま

鶉の里(うずらのさと)|鶉のいる里

鶉野(うずらお)|鶉のいる野

虫の音(むしのね)|秋の虫の鳴き声

虫の声(むしのこえ)|秋の虫の鳴き声

虫時雨(むししぐれ)|虫の声が重なって聞こえるさま

松虫(まつむし)|秋に鳴く虫

月鈴子(げつれいし)|松虫の異称

邯鄲(かんたん)|秋に鳴く虫

ちんちろ(ちんちろ)|松虫の鳴き声

ちんちろりん(ちんちろりん)|松虫の鳴き声

天津雁(あまつかり)|空を渡る雁

二季鳥(にきどり)|雁の異称

雁の文(かりのふみ)|雁に託した便り

雁が音(かりがね)|雁の鳴く声

 

【暮らし・年中行事】

秋彼岸(あきひがん)|秋分を中日とする彼岸

月の座(つきのざ)|月見のために設ける席

月の宴(つきのえん)|月を愛でる宴

月の友(つきのとも)|月をともに愛でる友

駒迎え(こまむかえ)|東国から献上の御馬を迎える行事

虫籠(むしかご)|秋の虫を入れる籠

砧槌(きぬたづち)|砧を打つための槌

砧打つ(きぬたうつ)|布を砧で打つこと

衣打つ(ころもうつ)|衣を砧で打つこと

添水(そうず)|水音を立て鳥獣を追う仕掛け

 

九月 通し(月全体を通じて使える景物)

【時候】

爽秋(そうしゅう)|爽やかな秋

清秋(せいしゅう)|清らかに澄んだ秋

爽やか(さわやか)|秋の澄んだ気候

さやか(さやか)|明るく澄んださま

 

【天文・地理】

秋の空(あきのそら)|澄みわたる秋の空

秋天(しゅうてん)|秋の空

秋高(しゅうこう)|空高く澄む秋

秋高し(あきたかし)|秋空が高く澄むさま

秋雲(あきぐも)|秋空に浮かぶ雲

鱗雲(うろこぐも)|鱗のように並ぶ秋の雲

鰯雲(いわしぐも)|鰯の群れに見立てた雲

鯖雲(さばぐも)|鯖の斑紋に見立てた雲

 

【暮らし・年中行事】

秋扇(あきおうぎ)|秋まで残る扇

捨扇(すておうぎ)|秋になり不用となった扇

 

参考文献

『月刊淡交テキスト 実践 取り合わせのヒント(2018)』淡交社(絶版)
茶趣12ヵ月ハンドブック』淡交社
二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社

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