
夏は、祭の活気がよく似合う季節。
見上げる木々の緑は日ごとに濃さを増し、溢れんばかりの生命力を湛えて力強く生い茂っています。
日が長く、夜の帳(とばり)が落ちてもなお熱気の残る一日は、夜が更けても活動的な気持ちにさせてくれます。
そして、その高揚感は、幼き頃、お祭に心を躍らせた、どこかノスタルジックな記憶とも重なります。
さて、7月を迎えると、京都はいよいよ祇園祭の季節。
都心部は祭の賑わいに包まれる一ヶ月となります。
祇園祭は平安時代、都に疫病が流行した際にこの災いを払おうと、神泉苑に当時の国の数である66本の矛を立て、御神輿を送って祈ったことが始まりとされています。
室町時代には、現在の形に近い姿へと発展したそう。
現在では、大きく17日の「前祭(さきまつり)」と24日の「後祭(あとまつり)」に分かれて行われ、街中の穢れを払います。
1日の「吉符入(きっぷいり)」からは祇園囃子の音色が聴こえ出します、そして、10日には鉾建てが始まり、街の様子はみるみるうちに祭の様相を呈していきます。
14日の「宵々々山(よいよいよいやま)」には駒形提灯の火が灯り、15日の「宵々山」には屋台が立ち並ぶ歩行者天国となって、多くの人で賑わいます。
17日には、いよいよ、祭のクライマックスである「山鉾巡行」となり、その後、「後祭」を迎えます。
溢れんばかりの賑わいに包まれる街中、この祭を支え、息づかせてきた町衆の鼓動が至る所から伝わってきます。
コンチキチンの音色と共に、アツい京都の夜がやってきます。

本日の和菓子は、かぎ甚さんの「鉾餅(ほこもち)」です。
長刀鉾の「網隠し」と呼ばれる部分を表現したお菓子。
白味噌あんと粒あんの2種類があり、小麦粉を使ったもちもちとした焼き皮で包まれています。
御神紋を象(かたど)った焼印もそれぞれ異なるため、ついつい2つとも買ってしまいます。
箱の中でそっと寝かせて持ち帰るのですが、お家で器の上に立ててあげると、まるで鉾のような堂々とした立派な姿に。
和菓子には珍しい、縦の伸びを感じる立体感がなんとも嬉しく、心躍ります。
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菓銘:鉾餅
ご製:かぎ甚
住所:京都市東山区大和大路通り四条下る小松町140
器:台皿
作:安藤由香さん
撮影・文:日々に和菓子
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