稚児舞披露|祇園祭の幕開け

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七月一日、京都では八坂神社の祭礼「祇園祭」が始まります。山鉾巡行で広く知られる祇園祭ですが、一か月にわたって数多くの神事や行事が続く、日本を代表する祭礼です。

そのなかで七月五日に行われるのが、「稚児舞披露(ちごまいひろう)」です。長刀鉾町(なぎなたほこちょう)の吉符入(きっぷいり)の神事にあわせ、長刀鉾の稚児が「太平の舞」を初めて披露します。この舞が披露されると、京都の町はいよいよ祇園祭の幕開けを実感します。

長刀鉾の稚児は、八歳から十歳ほどの少年が務めます。社参の儀を経て「神の使い」となった後は、祭りの期間中、地に足をつけない習わしが受け継がれています。かつては多くの鉾に生身の稚児がいましたが、現在、生稚児が残るのは長刀鉾と綾傘鉾だけで、実際に鉾へ乗るのは長刀鉾の稚児のみです。

七月十七日の山鉾巡行では、長刀鉾が四条麩屋町に差しかかると、稚児は太刀で注連縄(しめなわ)を切り払い、神域への道を開く「注連縄切り」の大役を担います。稚児舞披露は、その晴れ舞台へ向けた最初の節目でもあります。

華やかな山鉾巡行の陰には、このような神事や伝統が脈々と受け継がれています。稚児舞披露は、京都に本格的な夏の訪れを告げる風景の一つです。

 

撮影:anomeaSW/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
祇園祭創始一一五〇年記念 祇園祭 温故知新 神輿と山鉾を支える人と技』淡交社

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