
六月も終わりが近づくと、各地の神社では、六月三十日の「夏越の祓(なごしのはらえ)」を前に、大きな茅(ち)の輪(わ)が境内に設けられます。
茅の輪は、茅(ちがや)などを束ねて作られた大きな輪で、これをくぐることで半年の間に知らず知らずのうちに身に付いた穢れや災いを祓い、残る半年の無病息災を願います。その起源は、『備後国風土記』に伝わる蘇民将来(そみんしょうらい)の説話にあるとされています。
茅の輪くぐりは、少なくとも室町時代後期には宮中や公家の邸宅、将軍家などでも行われていたことが知られ、長く受け継がれてきた年中行事です。
茅の輪のくぐり方は神社によって異なりますが、一般的には八の字(∞)を描くように、左回り、右回り、左回りと三度くぐり、最後に正面からまっすぐ進んで拝殿へ参拝します。
境内に立つ茅の輪は、一年の折り返しを知らせる風景でもあります。半年を無事に過ごせたことに感謝し、清々しい気持ちで夏を迎えてみてはいかがでしょうか。
撮影:dual180/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
※参考文献のタイトルをクリックすると、【淡交社 本のオンラインショップ】に移動します。
※最新の価格・在庫状況はオンラインショップにてご確認ください。