
今週末は全国的に雨模様。
幼い頃は、梅雨空の下、長靴を履き、合羽を着て、黄色い傘を広げて小学校に通ったものです。
しかし大人になった今は、なるべく濡れないようにと、少しの移動でもつい自動車に頼りがちに。
振り返ればあの頃は、雨の日特有の楽しさや特別感を感じていたように思います。
長靴でわざわざ水溜りを選んで歩くことや、通学路の小川が激しく流れる姿に、どこか非日常を覚えたものです。
さて、梅雨入りしたとはいえ、晴れ続きだった京都にもようやく待望の雨音が聴こえはじめそうです。
文字通り「恵みの雨」と感じる方も多いのではないでしょうか。
日本語は、雨に対する感性が世界でも類を見ないほど繊細な言語です。
季節や降る強さ、時間帯、そしてその雨がもたらす情緒によって、数多くの美しい言葉が使い分けられています。
例えば、ちょうどよい頃合いに降るありがたい雨を「慈雨(じう)」と呼びます。
雨の一雫が乾いた大地を潤し、万物に命の鼓動をもたらすように、緑は少しずつ濃さを増し、生き物たちも活気づいていきます。本格的な夏の訪れまで、あと少し。
雨の日があるからこそ、私たちは晴れの日のありがたさを実感できます。
たまには雨の日に心躍らせた幼い頃を思い出し、この潤いの季節を前向きに愉しんでみてはいかがでしょうか。

本日の和菓子は、菓子屋のなさんの「一雫(ひとしずく)」です。
ココナッツミルクあんとメロンを、透明感あふれるわらび餅で包んだ一品。
プルプルとした食感と、さわやかでフルーティーな風味がこれからの季節に嬉しく、まさに大地を潤す恵みの雨の一雫のよう。
一滴潤乾坤。
**************
菓銘:一雫
ご製:菓子屋のな
住所:京都市下京区醒ヶ井通万寿寺角篠屋町75
器:ステンレス角皿/折
作:KiKUさん
撮影・文:日々に和菓子
**************
※掲載した和菓子が販売されているとは限りません。
※販売状況は店舗にお尋ねください。
