
七月十日、京都では祇園祭の神事の一つ「神輿洗(みこしあらい)」が行われます。
祇園祭で用いられる三基の神輿は、神幸祭で神様をお乗せする大切な神輿です。神輿洗は、その神輿を祓い清めるとともに、祇園祭に集う神々をお迎えする意味を持つ神事です。
この日の朝には、四条大橋で汲み上げた鴨川の水を祓い清める「神用水清祓式」が営まれます。こうして清められた神用水は、夕刻から始まる神輿洗で用いられます。
日が落ち始める頃、三基を代表して素戔嗚尊(スサノオヲノミコト)を祀る中御座(なかござ)神輿が八坂神社を出発し、松明や提灯に導かれて四条大橋へ向かいます。橋の上で祝詞(のりと)が奏上されたのち、神輿は川に入れるのではなく、朝に清められた神用水によって祓(はら)い清められます。
このとき飛び散る水しぶきには厄除けのご利益があるとされ、多くの人々がその水を浴びようと集まります。また、神輿に先立って松明を掲げて道を清める神事や、祇園囃子とともに提灯行列が練り歩く「お迎提灯」も行われ、京の夜は祭りの熱気に包まれます。
神輿洗は、華やかな山鉾巡行や神幸祭に先立ち、祇園祭を支える大切な神事です。
撮影:terkey/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『祇園祭創始一一五〇年記念 祇園祭 温故知新 神輿と山鉾を支える人と技』淡交社
八坂神社「祇園祭 7月10日 神輿洗」
※参考文献のタイトルをクリックすると、【淡交社 本のオンラインショップ】に移動します。
※最新の価格・在庫状況はオンラインショップにてご確認ください。