青梅|初夏の報せ

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五月も下旬に入るころ、店先に青梅(あおうめ)が並びはじめます。まだ固く、艶のある青い実には、熟した梅とは異なる爽やかな香りがあります。籠に盛られた青梅を見ると、季節が少しずつ夏へ向かっていることを感じます。

梅は、早春に白い花を咲かせたあと、若葉の茂るころに実を結びます。青梅はまだ熟す前の若い実です。表面には張りがあり、青さの残るその佇まいにはこの頃ならではの瑞々しい生命感があります。

青梅が出回りはじめると、梅酒や梅干し、梅シロップなどを仕込む「梅仕事」の季節も始まります。実を洗い、へたを取り、瓶を準備する。そうした手仕事もまた、毎年繰り返されてきた暮らしの営みです。

また、青梅のみずみずしい色や丸みを帯びた形は、主菓子の意匠にも用いられてきました。求肥(ぎゅうひ)や練切(ねりきり)で青梅の姿を模した菓子には、若い実ならではの張りや清々しさが表され、小さな菓子の中にも季節の移ろいが映されています。

青梅の香りや青々とした姿には、梅雨へ向かう前の、軽やかなこの頃の空気が重なります。

 

撮影:株式会社うめ海鮮@フォト|和食・洋食・フードフォト専門 / PIXTA

参考文献

淡交新書 茶の湯の銘 季節のことば』淡交社
日本を味わう 366日の旬のもの図鑑』淡交社

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