
十月三日頃は、七十二候の「水始涸(みずはじめてかるる)」。稲の収穫を前に、田んぼの水を落とす頃を表します。
「涸」は、水がかれること。秋が深まり、からりと晴れた日が続くと、川や池でも水が少なくなることがあります。「水始涸」という言葉から、そうした景色を思い浮かべるかもしれませんが、この候でいう「水」は、田んぼの水を指します。
春、用水路から田へ水を引き入れる「水口(みなくち)」では、豊作や農作業の無事を祈り、水を迎えてきました。そうして水をたたえた田で稲が育ち、秋には、収穫に向けて水を送り出す時を迎えます。
収穫前には、水の入口である水口を閉じ、排水口を開けて水路へ水を流します。こうして田の土を乾かし、刈り取りの作業をしやすくします。時期は地域や品種によって異なりますが、水を落とすことも、収穫に向けた大切な仕事といえます。
水を落とした田の土が乾けば、いよいよ稲刈りが始まります。
撮影:Bull/ PIXTA(ピクスタ)
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参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』(淡交社)