
秋の味覚といえば栗。料理にもお菓子にも用いられる、この季節を代表する食材です。この時期、栗の木では緑色だったイガが次第に褐色になり、熟すと地面へ落ちはじめます。栗拾いでは、木になっている実をもぎ取るのではなく、こうして自然に落ちた栗を拾います。
栗を拾うときに気をつけたいのが、鋭いトゲに覆われたイガ。素手で触らず、イガの両側を底のしっかりした靴で踏んで広げ、トングや火ばさみで中の栗を取り出します。また、栗を探して足元ばかり見ていると、木の上からイガが落ちてくることも。帽子をかぶるなど、頭上にも注意が必要です。
ところで、私たちが「栗」と呼んでいるものは、植物として見るとなかなか面白いつくりをしています。トゲのあるイガに包まれた、硬い「鬼皮」の部分が果実。その内側の「渋皮」に包まれているのが種で、私たちが食べているのは、その種の中身なのです。
拾った栗は、鬼皮に張りがあり、ずっしりと重みのあるものを選ぶのがポイントです。
さて、栗でひと苦労するのが皮むきです。熱湯につけて鬼皮をやわらかくするほか、一度冷凍してから熱湯につけると、鬼皮だけでなく渋皮もはがれやすくなります。包丁を使う場合は、底の「座」から刃を入れてむいていきますが、鬼皮は滑りやすいので十分に注意が必要です。鬼皮や渋皮をむくための栗専用の皮むき器を利用するのも一つの方法です。
拾って、選んで、皮をむく。少し手間をかけながら、自分の手で秋の実りを味わってみるのも、この季節ならではの楽しみです。
撮影: 株式会社うめ海鮮@フォト|和食・洋食・フードフォト専門 / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』(淡交社)
農林水産省「知って得する『栗』のこと」
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