
九月八日頃は、七十二候の「草露白(くさのつゆしろし)」。草の葉に降りた露が、朝の光を受けて白く輝いて見える頃です。
露は、朝の光に輝きながら、日が昇ればほどなく消えてしまいます。その姿から、古くより人の命や世のはかなさにもたとえられてきました。
豊臣秀吉の辞世として知られる歌、
「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」
もその一つ。
天下人として生きた秀吉もまた、自らの生涯を消えゆく露に重ねています。
朝の草むらに宿り、日が昇れば消えていく小さな露。「草露白」は、ほんのひととき現れる秋の美しさとともに、どこかはかなさも感じさせる頃です。
撮影:CaptainT / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
大阪城天守閣「文化財コレクション」
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