
九月二日ごろから、七十二候は「禾乃登(こくものすなわちみのる)」。田んぼの稲が実り、稲穂が少しずつ色づき始める頃です。
「禾(のぎ)」とは、稲や麦などの穂先にある細い毛のこと。そこから転じて、稲や麦、粟などの穀物を表す言葉としても使われます。「禾乃登」には、そうした穀物が実りを迎えていく様子が表されています。
夏のあいだ青々としていた田んぼも、この頃になると少しずつ黄金色を帯びてきます。稲穂には米の粒が充実し、その重みで次第に頭を垂れるようになります。まだ暑さの残るなか、田んぼの景色にはひと足早く、実りの秋が訪れ始めます。
さて、私たちの食卓に欠かせない米ですが、ここ数年、その価格の変化を身近に感じた方も多いのではないでしょうか。スーパーなどで販売される米の平均価格は、令和6(2024)年8月には5キログラム当たり2,656円(税込)でしたが、翌年の令和7(2025)年8月には3,764円と、1年間で1,108円上昇しました。今年に入ってからは下落傾向となり、令和8(2026)年7月には3,370円、8月10日の週には3,191円となっています。
一方、昨年の令和7(2025)年産の主食用米は、作付面積の増加や多くの地域で天候に恵まれたことなどから、収穫量が718万1千トンとなり、前年より66万2千トン増加しました。
そして今年も、各地の田んぼでは稲が実りの時を迎えています。春に植えられた苗が夏の日差しを受けて育ち、一粒一粒の米となって、やがて私たちの食卓へ届きます。
毎日のように口にしている米も、今まさに田んぼで実りつつあります。「禾乃登」という暦の言葉を通して、身近な米が育つ風景に目を向けてみるのもよいかもしれません。
撮影:プカプカプー / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
農林水産省「米に関するメールマガジン 第150号」
農林水産省「米に関するメールマガジン 第139号」
農林水産省「米の流通状況等について」
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