天地始粛(てんちはじめてさむし)|暑さがようやく鎮まるころ

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八月二十八日ごろから、七十二候は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。厳しかった暑さがようやく鎮まり始める頃です。

「粛」には、静まる、引き締まるといった意味があります。夏のあいだ勢いに満ちていた天地が次第に落ち着き、秋へと向かっていく。そんな季節の移ろいを表した言葉です。「さむし」と読みますが、冬のような寒さが訪れるということではなく、暑さの盛りを越え、少しずつ涼しさが感じられるようになることを意味しています。

とはいえ、現代の八月末はまだまだ厳しい残暑が続く時季。日中の強い日差しのなかにいると、秋の訪れはまだ遠く感じられるかもしれません。それでも朝夕に吹く風や、少しずつ早くなる日の入り、夜に聞こえる虫の声などに目や耳を向けると、季節が確かに動いていることに気づきます。

「天地始粛」は、夏の勢いが少しずつ鎮まり、秋へと移り変わっていく、そのわずかな変化を捉えた言葉です。残暑のなかにもふと感じられる風の涼しさに、近づく秋を探してみてはいかがでしょうか。

 

撮影:t.sakai / PIXTA(ピクスタ)

参考文献

二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社
茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社

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