
お盆の頃、人々が輪になって踊る「盆踊り」。寺の境内や町の広場などに櫓(やぐら)を組み、その周りを踊る姿は、日本の夏を代表する風景の一つです。
盆踊りは、もともとお盆に迎えた祖先の霊を慰め、送り出すために行われたとされています。とりわけ、前年のお盆以降に亡くなった人(新仏)を供養する意味をもって踊られることもありました。また、空也上人(903~972)や一遍上人(1239~1289)らによって広められた「念仏踊り」との関わりも指摘されています。
やがて盆踊りは、祖先を供養する行事であるとともに、人々が集い、ともに踊る「夏の楽しみ」として各地に根付いていきました。その姿は土地によってさまざまです。なかでも岐阜県郡上市の「郡上おどり」は、七月から九月にかけて三十日以上にわたって行われ、お盆の四日間は夜通し踊る「徹夜踊り」で知られます。決まった踊り手だけでなく、訪れた人も輪に加わって一緒に踊れるのが大きな魅力です。
さらに近代になると、盆踊りは移民とともに海を渡りました。ハワイやアメリカ本土、ブラジルなどの日系社会に根付き、現在ではマレーシアやアルゼンチンなどでも、多くの現地の人々が参加する催しとなっています。
祖先を思い、人と人が出会い、ともに楽しむ。盆踊りの輪は、時代や国境を越えながら、今も人々をつないでいます。
撮影: heisj / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
郡上おどり公式サイト
J-WAVE「世界の盆踊り事情」
盆踊りの世界「海をわたった盆踊り」
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