
七月二十六日は、「土用の丑(うし)の日」。一年で最も暑さが厳しくなる頃に迎える、暑気払いの日として古くから親しまれてきました。
土用は季節の変わり目を表す雑節で、その期間中に巡ってくる丑の日が「土用の丑の日」です。夏の土用の丑の日には、暑さで疲れた体をいたわり、健やかに夏を乗り切ろうとする人々の知恵が受け継がれてきました。
土用の丑の日といえば、やはり「鰻」です。鰻には、ビタミンAをはじめ、ビタミンB群や鉄分、カルシウム、EPA、DHAなどが豊富に含まれ、夏の暑さで疲れた体に適した食材といえます。この時季に鰻を食べることは、栄養面から見ても理に適った習慣といえるでしょう。
この風習は、江戸時代中期に平賀源内が考案したという説がよく知られています。しかし、幕末の『江戸買物独案内』には、春木屋善兵衛が始めたとする記述もあり、その由来には諸説あります。いずれにしても、土用の丑の日に鰻を食べる習慣は広く定着し、日本の夏を代表する食文化の一つとなりました。
また、鰻料理も地域によってさまざまです。蒲焼や鰻丼をはじめ、ひつまぶし、せいろ蒸し、白焼き、天ぷら、山椒煮など、それぞれの土地ならではの味わいが受け継がれています。
季節の変わり目に、食を通して心身を整える。土用の丑の日は、日本人の暮らしの知恵を今に伝える歳時です。
撮影:kai/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『日本を味わう 366日の旬のもの図鑑』淡交社
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