
七月二十日頃になると、「土用(どよう)」を迎えます。土用と聞くと「土用の丑の日」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、本来は季節の移り変わりを表す暦の区分で、「雑節(ざっせつ)」の一つです。
土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前およそ十八日間を指し、一年に四回あります。そのうち最もよく知られているのが、夏から秋へ移る前の「夏土用」です。
「土用」の名は、中国の五行思想に由来します。木・火・土・金・水の五つの要素が季節を司ると考えられ、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」、そしてその移り変わる期間を「土」が受け持つことから、この期間が土用と呼ばれるようになりました。
この時期は体調を崩しやすいと考えられ、古くから心身を整え、無理を控える期間とされてきました。
夏土用には、土用の丑の日にうなぎを食べる風習をはじめ、「う」のつく食べ物をいただく習わしや、土公神(どこうしん)が土を司るとして土を動かすことを避ける風習など、さまざまな伝承が今も受け継がれています。
土用は、次の季節へ向けて心と体を整える大切な節目。移りゆく季節を感じながら、日々の暮らしを見つめ直す機会でもあります。
撮影:shige hattori / PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
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