素麺|夏に受け継がれる厄除けの願い

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暑さが本格的になる七月。冷たくのど越しのよい素麺は、夏に欠かせない食べ物として親しまれています。実は、素麺には古くから受け継がれてきた厄除けの願いが込められています。

その始まりは、中国から伝わった「索餅(さくべい)」という小麦粉で作られた食べ物にあるといわれています。古代中国の帝王・高辛氏の子が七月七日に亡くなった後、鬼となって疫病を流行らせたため、生前好んでいた索餅を供えて祟りを鎮めたという伝承があります。これが、病除けのために索餅を食べる風習の始まりになったと伝えられています。

やがて日本では、索餅に代わって素麺を食べるようになり、夏の無病息災を願う習わしとして受け継がれてきました。また、細く長い麺を天の川や織姫が紡ぐ糸に見立てたともいわれ、夏の風物詩として人々に親しまれるようになりました。

ちなみに、この故事にちなみ、七月七日に食べる素麺は「鬼の腸(おにのはらわた)」とも呼ばれます。一見すると意外な呼び名ですが、疫病を退け、健やかに夏を過ごしたいという人々の願いが込められているのでしょう。

涼を楽しむ夏の素麺。その背景にある人々の願いに、思いを馳せてみるのもよいかもしれません。

 

撮影:dejavu/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
日本を味わう 366日の旬のもの図鑑』淡交社

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