
八月のお盆の頃に営まれる「盂蘭盆会(うらぼんえ)」は、ご先祖の霊を迎え、供養し、感謝を捧げる日本の代表的な仏教行事です。地域によって時期は異なりますが、多くの地域では八月十三日から十六日にかけて行われます。
「盂蘭盆会」の語源は、サンスクリット語のウランバナ(逆さ吊りの苦しみ)に由来するとされます。『仏説盂蘭盆経』には、釈迦の弟子・目連尊者(もくれんそんじゃ)が亡き母を救うため、僧たちに供養を捧げたことで母が救われたという説話が記されており、これが盂蘭盆会の起こりと伝えられています。
日本には飛鳥時代に伝わり、宮中で営まれた盂蘭盆会が次第に全国へ広まりました。やがて祖先の霊を迎える日本古来の祖霊信仰と結び付き、迎え火や送り火、精霊馬、盆提灯、盆踊りなど、多彩なお盆の風習が生まれていきます。
お盆は、ご先祖を供養するだけではなく、受け継がれてきた命のつながりを改めて感じる機会でもあります。仏壇や墓前に手を合わせるひとときは、受け継がれてきた命や日々の暮らしへの感謝を静かに見つめ直す時間となっています。
撮影: genzoh / PIXTA(ピクスタ)
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