
八月二日から七日にかけて、青森市では「ねぶた祭」が開催されます。武者や歴史上の人物、神話の場面などをかたどった巨大な灯籠「ねぶた」が街を練り歩く、東北を代表する夏祭りです。
ねぶた祭の起源は定かではありませんが、奈良時代に伝わった七夕行事と、古くから津軽地方に伝わる「眠り流し」の風習が結びついて生まれたと考えられています。夏の農作業の妨げとなる眠気やけがれを灯籠に託して川や海へ流し、無病息災や豊作を願ったことが始まりとされ、時代とともに現在の華やかな祭りへと発展しました。
「ねぶた」という名称も、この「眠り流し」に由来するといわれています。「眠り」が転じて「ねぶた」となったと考えられ、地域によっては「ねぷた」や「ねふた」と呼ばれるなど、同じ風習が各地で異なる名前とともに受け継がれてきました。
青森のねぶたは、竹や木で組んだ骨組みに和紙を張った立体的な人形灯籠が特徴です。夜になると内部に灯りがともされ、色鮮やかな武者や英雄たちが闇夜に浮かび上がります。笛や太鼓のお囃子に合わせ、「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声とともに「ハネト」と呼ばれる踊り手が祭りを盛り上げる様子は、青森の短い夏を象徴する風景として親しまれています。
勇壮なねぶたの灯りが街を照らし、人々の熱気が一つになる夏の夜。古くから受け継がれてきた祈りの心は、今も東北の夏を鮮やかに彩り続けます。
撮影:A-Dash/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
青森ねぶた祭オフィシャルサイト「ねぶたの由来」
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