
八月十三日ごろから七十二候は「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」。夕暮れどきに「カナカナカナ……」と澄んだ声で鳴くひぐらしが、秋の訪れを知らせる頃です。
「寒蝉」と書いて「ひぐらし」と読みます。ひぐらしはセミの仲間ですが、真夏の昼間に盛んに鳴くアブラゼミやミンミンゼミとは異なり、朝夕の涼しい時間帯に鳴くことが多く、その物悲しくも美しい声は、古くから初秋を告げる音として親しまれてきました。
暦の上ではすでに秋を迎えていますが、日中はなお厳しい暑さが続きます。それでも、夕暮れの風やひぐらしの声に耳を澄ませると、季節は少しずつ次の時季へと歩みを進めていることに気づかされます。
盛夏の蝉の声に生命の力強さを感じるのに対し、ひぐらしの澄んだ音色には、夏の終わりとともに、命の尊さや儚さが重なります。お盆の静かな夕暮れに響くその声は、ご先祖を偲び、今ある命の尊さをあらためて感じさせてくれます。『』
撮影:GlobeDesign / PIXTA(ピクスタ)
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