
七月二十八日ごろから八月一日までの七十二候は「土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし)」。雨に潤った大地から湿気が立ちのぼり、まとわりつくような蒸し暑さを感じる頃を表した候です。
「溽暑(じゅくしょ)」とは、湿気を多く含んだ厳しい暑さのこと。気温が高いだけではなく、湿度も高いため、汗が蒸発しにくく体に熱がこもりやすい、日本ならではの夏を表す言葉です。
京都では、この時季になると盆地特有の暑さがいっそう厳しくなります。三方を山に囲まれた地形のため、昼間に暖められた熱がこもりやすく、風も抜けにくいことから、全国でも屈指の蒸し暑さを感じる日が少なくありません。
しかし、この蒸し暑さは、土が十分に水を含み、生命を育む季節でもあることを教えてくれます。
田んぼでは青々とした稲が風に揺れ、山々の木々はいっそう濃い緑を深めます。土に蓄えられた水分は草木を潤し、秋の実りへ向けて大きく育てていきます。
過ごしやすい季節とは言えませんが、厳しい暑さの中にも自然の豊かな営みが息づいています。
撮影:Hiroshi-N/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
京都地方気象台「京都府の気象特性」
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