蓮始開(はすはじめてひらく)|蓮の花が開き始めるころ

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七月十六日。七十二候「蓮始開(はすはじめてひらく)」も今日で終わりを迎えます。蓮の花が開き始める頃を表したこの候は、本格的な夏の訪れを感じさせる季節です。

蓮は、泥の中に根を張りながらも、水面にまっすぐ茎を伸ばし、清らかな花を咲かせます。その姿から、古くより仏教では「清浄」や「悟り」の象徴とされ、極楽浄土には蓮の花が咲き誇ると説かれてきました。また、多くの仏像が蓮華座に坐すことからも、蓮が特別な意味を持つ花であることがうかがえます。

蓮の花は、夜明けとともにゆっくりと開き、昼頃には閉じます。この開閉を三日から四日ほど繰り返した後、花びらを散らします。そのため、美しい花を楽しむなら、早朝が最もよい時間とされています。

また、蓮は「花中君子(かちゅうのくんし)」とも称えられます。もともとは、泥に染まることなく気高く咲く蓮をたたえた言葉ですが、日本では蓮と蟹を描いた画題を「花中君子」と呼ぶこともあり、古くから親しまれてきました。

蓮は花だけでなく、葉や実、地下茎まで余すところなく利用されてきました。地下茎は蓮根として食卓に並び、種子は食用や薬用として用いられます。大きな葉は料理を包むためにも使われるなど、人々の暮らしの中でも身近な植物として親しまれてきました。

暑さが増していくこの時季、朝の澄んだ空気の中で花開く蓮の姿は、ひとときの涼やかさを感じさせてくれます。

 

撮影:CLと棒ー2/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社

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