
六月二十六日ごろ、七十二候では「菖蒲華(あやめはなさく)」を迎えます。
「あやめ」「菖蒲(しょうぶ)」「花菖蒲(はなしょうぶ)」は混同されやすい植物です。現在では、「端午の節句」に用いられる「菖蒲」はショウブ科、梅雨のころに花を咲かせる「あやめ」と「花菖蒲」はアヤメ科の植物として区別されています。しかし、古くは「あやめ」にも「菖蒲」の字が用いられたため、七十二候では「菖蒲華」と書いて「あやめはなさく」と読みます。
「あやめ」は、花びらの付け根に網目状の模様があります。その模様が「文(あや)」に見えることから、「あやめ」と呼ばれるようになったともいわれています。また、山野のやや乾いた草地を好んで育つのも特徴です。
一方、「花菖蒲」は、「あやめ」と同じアヤメ科の植物ですが、湿地や水辺を好みます。江戸時代には園芸植物として盛んに品種改良が行われ、現在では数多くの品種が親しまれています。この頃、菖蒲園を彩る花々の多くは、この「花菖蒲」です。
そのため、現在では「あやめ」と聞いて、水辺に咲く「花菖蒲」を思い浮かべる人も少なくありません。
雨に潤う水辺に、紫や白の花々が群れ咲く景色は、この季節ならではの風情です。
撮影:J6HQL/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社
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