桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)|桐が実を結び始めるころ

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七月二十三日ごろから七十二候は「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」。春から初夏にかけて淡い紫色の花を咲かせた桐が、花を終え、実を結び始める頃を表した候です。

「花を結ぶ」とは、花が咲くことではなく、花のあとに実を結ぶことを意味します。春から初夏に咲いた淡紫色の花は、やがて実を結び、次の季節へと命をつないでいきます。

桐は成長が早く、高さ十~十五メートルほどにもなる落葉高木です。木材は軽く、湿気による伸縮が少ないことから、古くより箪笥や楽器などの材料として重宝されてきました。女の子が生まれると桐を植え、嫁入りの頃にその木で箪笥を作って持たせるという風習も各地に伝えられています。

また、桐は古くから高貴でめでたい木としても尊ばれてきました。中国には、鳳凰が桐に集まり、竹の実を食べるという故事があり、桐の葉と花を組み合わせた桐文は吉祥の文様として親しまれています。日本では皇室ゆかりの五七桐や、豊臣秀吉が愛用した五三桐などでも広く知られています。

茶の湯でも、桐は身近な存在です。桐文は棗や茶箱、炉縁などの蒔絵や裂地に数多く用いられ、菊と組み合わせた文様は高台寺蒔絵を代表する意匠として知られています。また、軽く湿気に強い桐材は、棚や煙草盆、茶通箱など、さまざまな茶道具の素材として重宝されてきました。

花から実を結び、静かに次の季節への準備を始める桐。「桐始結花」は、目立たない自然の営みに目を向ける、七十二候ならではの美しい季節の言葉です。

 

撮影:Kmo/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
茶道具に見る 日本の文様と意匠』淡交社

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