朝顔市|江戸の夏の風物詩

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七月になると、各地で朝顔市が開かれます。朝の涼しさを感じさせる朝顔が軒先に並び、夏の訪れを告げる風物詩として親しまれています。

なかでもよく知られているのが、東京都台東区の入谷鬼子母神(真源寺)を中心に開かれる「入谷朝顔まつり」です。毎年七月六日から八日に開催され、言問(こととい)通りには朝顔を扱う店が並び、多くの人で賑わいます。

江戸時代後期には園芸文化が大きく花開き、朝顔は人々を魅了する人気の植物となりました。とくに文化・文政年間(1804~1830)には空前の朝顔ブームが起こり、花や葉のさまざまな姿を楽しむ品種が数多く生み出されます。

その頃、入谷でも朝顔の栽培が盛んになりました。明治時代になると、多くの植木屋が丹精込めて育てた朝顔を販売し、「入谷の朝顔」は広く知られるようになります。朝顔市は、こうした江戸から明治へと受け継がれた園芸文化を今に伝える行事です。

朝顔市には、色とりどりの花を楽しむだけでなく、季節の移ろいを暮らしの中で味わう人々の心が受け継がれています。夏の朝ならではの風情を感じられる、日本らしい風物詩の一つです。

 

▼江戸時代の人々が熱中した趣味やブームについて知りたい方におすすめ!

江戸時代のオタクファイル』辛酸なめ子/著 淡交社
江戸・ザ・マニア』浅生ハルミン/著 淡交社

 

撮影:のびー/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
入谷朝顔まつり(朝顔市)

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