朝顔|夏の朝を彩る花

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七月になると、鮮やかな花を咲かせる朝顔が見頃を迎えます。

朝顔は奈良時代に薬用植物として中国から伝わったとされます。当初は種子が生薬として珍重されていましたが、江戸時代になると観賞用として広く親しまれるようになり、品種改良も盛んに行われました。

また、朝顔は多くの人にとって、子どものころに育てた思い出のある花でもあります。小学校で種をまき、毎朝水をやりながら、つるが伸び、花が咲く様子を観察した方も多いのではないでしょうか。そうした身近さも、朝顔が長く親しまれてきた理由の一つです。

朝顔は「牽牛花(けんぎゅうか)」とも呼ばれます。その由来となった中国名は「牽牛(けんご)」といい、漢方医学の古典『名医別録(めいいべつろく)』には、牛を牽いてきた人が朝顔の種と牛を交換したことから、この名が付いたと伝えられています。また一説には、牽牛星と織女星の伝説で知られる七夕の頃に美しい花を咲かせることから、この名になったともいわれています。この中国名に「花」を添えた「牽牛花」は、朝顔の別名として今日まで受け継がれています。

茶の湯でも朝顔は夏を代表する茶花の一つです。朝顔といえば、千利休が豊臣秀吉を招いて催した「朝顔の茶会」の逸話がよく知られています。この茶会で利休は、庭一面に咲いていた朝顔をすべて摘み取り、床の間にはただ一輪だけを生けて秀吉を迎えたと伝えられています。朝顔は、その頃から茶の湯とも深い関わりをもつ花として親しまれてきました。現在でも、夏の早朝に催される朝茶事や朝茶会では、涼やかな趣を添える花として用いられています。

江戸時代から続く「あさがお市」は、今も各地で夏の風物詩として親しまれています。朝顔は、夏の訪れを告げる花として、今も変わらず人々の暮らしに彩りを添えています。

 

撮影:ちょし/ PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
図解 茶の湯人物案内』淡交社
新版 茶花大事典』淡交社

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