
山あいに響く水音。白いしぶきを上げながら流れ落ちる滝は、暑さを忘れさせる涼やかな景色です。
「布引(ぬのびき)」とは、本来、布をさらすために広げることを意味する言葉です。やがて、高いところから流れ落ちる滝の姿が白い布を垂らしたように見えることから、滝を表す言葉としても用いられるようになりました。
なかでも有名なのが、兵庫県神戸市にある布引の滝です。雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)の総称で、古くから名瀑として知られ、多くの人々に親しまれてきました。
藤原定家は、
布引の滝のしら糸なつくれば 絶えずぞ人の山路たづぬる
と詠み、白糸を垂らしたような滝の姿と、その景色に惹かれて人々が絶えず山路を訪れる様子を描いています。
また、日本には和歌山県の那智の滝や栃木県の華厳の滝など、古くから知られる名瀑があります。
白く流れ落ちる水の姿は、時代を超えて人々を魅了してきました。雨に潤った山々のなか、白布を垂らしたように流れる滝は、今も変わらず人々を惹きつけています。
撮影:kt-gw/ PIXTA
参考文献
『二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社
布引の滝|Feel KOBE 神戸公式観光サイト
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