
梅雨のさなか、ふと雲が切れ、青空が広がる日があります。そんな爽やかな空模様を見て、「五月晴れ(さつきばれ)」という言葉がふと浮かびます。
現在では、五月の澄み渡った晴天を指す言葉として使われることが多い五月晴れですが、本来は少し意味が異なります。
旧暦の五月は、現在の六月頃にあたり、ちょうど梅雨の時期に重なります。そのため本来の五月晴れとは、梅雨の合間に見られる晴れ間や、雨上がりの明るい空を指す言葉でした。
長雨が続く中で訪れる束の間の青空は、私たちに安堵や喜び、晴れやかな心持ちをもたらしてくれます。洗濯物や布団を干し、農作業を進め、遠くの山並みを眺める。そんな暮らしの実感が、この言葉にはあります。
一方で、この言葉は、現在では五月の爽やかな晴天を指す意味で広く定着しています。本来の意味と現代の使われ方。この二つが並び立つ少し珍しい季節の言葉といえるかもしれません。
撮影:Princess Anmitsu/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
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