
六月に入るころ。空一面に雲が広がる日が少しずつ増えてきます。
こうした梅雨前後の曇り空には春の曇天とは少し異なり、どこか明るさがあります。空全体に薄く光が回り込み、強い影ができないため、草木や建物の輪郭もやわらかく見えます。湿り気を含んだ空気が光を拡散させることで、景色全体が白く明るんで感じられるのかもしれません。
晴天のような鋭い光ではなく、空そのものが淡く発光しているような光です。
曇りの日、茶室に差し込む障子越しの光はやわらかく、道具の影も淡くなります。強い陽射しの日とは異なり、空間全体が静かに落ち着いて見えるのも、この時期ならではです。
撮影:ringoame / PIXTA
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