
二十四節気「芒種」の末候にあたる七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」は、六月十六日ごろから二十日ごろにかけての頃を指します。青々としていた梅の実が少しずつ熟し、黄色みを帯び始める季節です。
梅の実は春に白い花を咲かせたあと、初夏にかけて大きく育ちます。熟すにつれて緑色から黄緑色、さらに黄色へと変化し、あたりには甘く爽やかな香りが漂います。この頃に収穫された梅は、梅干しや梅酒、梅シロップなどに加工され、日本の食文化を支えてきました。
「つゆ」を「梅雨」と書く由来には諸説あります。その一つが、この七十二候「梅子黄」にちなみ、梅の実が黄色く熟す頃に降る雨であることから「梅雨」の字が当てられたという説です。
また、この時期は湿度が高く黴(かび)が生えやすいため、「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたものが、同じ読みの「梅雨」に転じたという説もあります。さらに、毎日のように雨が降る季節であることから、「毎」の字に代えて「梅」が用いられるようになったという説もあります。「梅霖(ばいりん)」も、梅雨の別名として知られています。
季節の言葉の由来を知ることで、昔の人々が見つめた自然の姿が見えてくるようです。
撮影:蕎麦喰亭/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社
※参考文献のタイトルをクリックすると、【淡交社 本のオンラインショップ】に移動します。
※最新の価格・在庫状況はオンラインショップにてご確認ください。