二十四節気「小満」の末候にあたる七十二候「麦秋至(むぎのときいたる)」は、五月三十一日から六月四日ごろにあたります。文字通り、麦がたわわに実り、収穫のときを迎える頃です。
初夏に「秋」という言葉を使うのは一見奇妙に思えますが、古来「秋」という言葉は“実りの時期”そのものを指しました。稲にとっての秋と同様に、麦にとっての収穫期である初夏を「麦秋」と呼ぶのはそのためです。
秋に種をまき、冬を耐え抜いて初夏に結実する麦。梅雨入り前のからりと晴れた青空のもと、各地で麦刈りの風景が見られる頃でもあります。
青麦から黄金色へと移ろい、風に揺れる麦畑の美しさは、瑞々しい田植えの風景とはまた違う深い趣があります。黄金に光る麦畑の景色は、春の終わりと、確かな夏の訪れを告げています。
撮影:Yoshi / PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『淡交新書 茶の湯の銘 季節のことば』淡交社
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