
二十四節気「小満」の次候にあたる七十二候「紅花栄(べにばなさかう)」は、五月二十六日ごろから三十日ごろにかけての頃を指します。紅花が鮮やかな黄色の花を咲かせ、やがて紅へと変わってゆく時期です。
紅花は、キク科の一年草で、古くから染料や化粧の材料として用いられてきました。咲き始めの花は明るい黄色をしていますが、摘み取って揉み込み、発酵させることで、少しずつ深い紅色へと変化していきます。
とくに山形県最上地方は紅花の産地として知られ、江戸時代には「最上紅花」として上方へ運ばれました。紅花は「最上川舟運」によって京都や大坂へと運ばれ、染織や化粧文化を支える貴重な品として扱われていました。花からわずかにしか採れない紅は高価で、「紅一匁、金一匁」ともいわれたほどです。
少量しか採れない深い紅には、華やかさだけでなく、どこか静かな深みがあります。
五月の終わり、まだ夏には至らない光の中で、紅花の黄色い花が風に揺れています。
撮影:大地爽風/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『茶道具に見る 日本の文様と意匠』淡交社
やまがたへの旅/紅花文化ストーリー
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