乃東枯(なつかれくさかるる)|紫を残す草

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六月二十二日ごろから、七十二候では「乃東枯(なつかれくさかるる)」を迎えます。夏至の初候にあたり、「乃東(なつかれくさ)」と呼ばれる草が枯れはじめる頃を表した言葉です。

乃東とは、現在の靫草(うつぼぐさ)のこととされています。初夏になると、紫色の花を穂のようにつける多年草で、道端や野原などで見かけることがあります。

靫草は、花が終わったあとも紫がかった花穂を残します。その姿が枯れたように見えることから、「乃東枯」という候名が生まれたと考えられています。

また靫草は古くから薬草としても利用され、その花穂を乾燥させたものは「夏枯草(かごそう)」と呼ばれます。この名も、花後の姿に由来するといわれています。

草木が勢いよく育つ季節のなかで、あえて「枯れる草」に目を向けているところに、七十二候らしい細やかな自然観が感じられます。

 

撮影:kazukiatuko/ PIXTA

参考文献

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