憲法記念日と近代の暦

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五月三日は「憲法記念日」です。昭和二十二年(一九四七)五月三日に日本国憲法が施行されたことを記念し、「国の成長を期する日」として国民の祝日に定められています。

日本国憲法は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を柱とする、近代国家のあり方を示したものです。この施行日が毎年同じ日付で記念されるという点にも、近代の時間のとらえ方が表れています。

現在、私たちが用いている暦は、明治五年(一八七二)に採用された新暦、すなわち太陽の運行を基準とする「太陽暦」です。それ以前の旧暦は、月の満ち欠けを基準とした「太陰太陽暦」で、季節とのズレを調整しながら運用されていました。

旧暦では、日付は月の満ち欠けに基づいて定められていました。新月を基準に月初が決まり、日付の進みとともに月の形も変わっていきます。節句や年中行事も、その暦に沿って巡っていました。

一方新暦では、日付は太陽の運行に基づいて一年の中に固定されます。こうして時間の枠組みが一定に保たれることで、社会の制度や記念日も毎年同じ日付に置かれるようになります。憲法記念日もまたそのひとつにあたります。

旧暦と新暦、そして近代の制度としての祝日。現在の暦の中には、性質の異なる時間の仕組みが重なっています。五月三日は、その重なりがはっきりと見える一日でもあります。

 

撮影:風を感じて/ PIXTA

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