若楓|青もみじのころ

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四月も半ばになると、楓の葉はすっかり芽吹き、やわらかな緑が目に入るようになります。「若楓(わかかえで)」はその若葉の状態を指す言葉で、「青楓(あおかえで)」とほぼ同じ景色を示します。近年では「青紅葉(あおもみじ)」として、この時期の楓を楽しむ機会も増えています。

楓といえば秋の紅葉が思い浮かびますが、芽吹いたばかりの青葉にも、また異なる見どころがあります。葉はまだ薄く、光を受けると透けるように明るく、風に揺れるたびに、やわらかな陽光とともに色の濃淡が移ろいます。京都の北野天満宮の御土居に広がる青もみじは、その代表的な景色として知られ、初夏にかけて多くの人が訪れます。

この時期の楓は、春の終わりというよりも、むしろ初夏の気配を先取りする存在といえます。花の季節が一段落し、景色の主役が次第に緑へ移っていく中で、若楓はその転換点をはっきりと示します。やわらかな葉の重なりは、軽やかでありながらも、これから濃くなっていく緑の始まりを感じさせます。

若楓という言葉は、この短い時期にあらわれる、初夏の入口の景をとらえた呼び名です。

 

撮影:JPN / PIXTA

参考文献

茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社 
淡交新書 茶の湯の銘 季節のことば』淡交社
北野天満宮 公式サイト

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