善哉|小豆と餅が織りなす冬の味

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寒さが増してくるこの季節、温かな善哉(ぜんざい)が恋しくなります。甘く煮た小豆に、焼いた餅や白玉団子を添えた善哉は、冬の訪れを感じさせる食べ物の一つです。

この「ぜんざい」という名前。その由来には、いくつかの説があります。その一つが、出雲地方に伝わる「神在餅(じんざいもち)」に由来するというものです。

島根県松江市の佐太神社では、毎年十一月二十五日に、出雲に集まった神々を送り出す「神等去出神事(からさでしんじ)」が行われます。この日、神前に供えていた餅と小豆を一緒に煮て小豆雑煮を作り、再び神前に供える習わしがあります。これを「神在餅(じんざいもち)」といい、かつては周辺の家々でも、小豆雑煮を神棚に供えてからいただく風習があったといいます。

この「神在餅」の「じんざい」が転じて「ぜんざい」になったというのが、出雲に伝わる語源説です。江戸時代の地誌『雲陽誌(うんようし)』にも、佐太神社の神在祭に際して、村人が小豆で煮た餅を食べ、これを「神在餅」と呼んでいたことが記されています。

一方、「善哉」はもともと「よきかな」と相手をほめたたえる仏教の言葉。小豆と餅を煮たものを食べた一休禅師が、そのおいしさを「善哉」と称賛したことに由来するという説もあります。

茶の湯では、十一月に風炉から炉へと切り替わる「炉開き」を迎えます。「茶人の正月」とも呼ばれるこの節目には、善哉や亥の子餅をいただく習慣があります。

小豆のやさしい甘さと、餅の温かな味わい。寒い季節にいただく一椀の善哉は、心まで幸せな気持ちにさせてくれます。

 

撮影:monochrome / / PIXTA(ピクスタ)

 

参考文献

『茶趣をひろげる歳時記百科』(淡交社)

古文献にみる神在餅についての記述【雲陽誌】 佐太神社公式ホームページ

神在祭2 佐太神社公式ホームページ

 

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