崩れた白炭を取り上げて、それを焚き添えることはしない、という教えです。
ちょっと解説
この一首は、崩れた枝炭の扱い方を教えています。
ここでいう「白炭」とは、胡粉(ごふん)で白く化粧した枝炭のことです。枝炭は、炭と炭との間で火のまわりを助けるとともに、炉中の一つの景色にもなります。
後炭の際に、初炭でついだ枝炭の一部が燃えて崩れ、燃え残りがあったとしても、それを取り上げてつぎ直すことはせず、そのままにして、新しい枝炭をつぎます。
この一首は、枝炭が火を助ける働きだけでなく、景色をつくる役割も持つことを踏まえた扱いを教えています。
利休百首に収められた和歌は、稽古の場や茶会の一瞬、そして日々の暮らしの中で、ふと立ち返るための言葉として詠まれてきました。一日一首、静かに言葉を味わいながら、自身の茶の湯の心と重ねてみてください。