
十月に入り、衣替えの時季を迎えました。学校や職場では夏服から冬服へ替えたり、箪笥やクローゼットから長袖の服を取り出したり。季節に合わせて衣服を替える「衣替え」は、暮らしの中で秋の訪れを感じる身近な習慣です。
茶席で着る着物にも、衣替えの目安があります。十月は、裏地のない「単衣(ひとえ)」から、裏地を付けて仕立てた「袷(あわせ)」へと移る節目。一般的に、十月から五月までは袷、六月と九月は単衣、七月と八月は絽(ろ)や紗(しゃ)などの薄物(うすもの)を着るとされています。それにともなって、帯や長襦袢(ながじゅばん)、半衿(はんえり)なども、季節に合わせて取り合わせます。
とはいえ、近年は、十月になっても厳しい暑さが残る日があります。衣替えの日取りを基本としながら、地域やその年の気候に応じて調整することも大切。茶会の装いに迷うときは、先生や主催者に相談するのもよいかもしれません。
秋の茶席に向けて、着物や帯を選ぶのも楽しみの一つです。色無地に秋草の文様の帯を合わせたり、帯揚げに秋らしい色を添えたり。茶会の趣向や席の雰囲気を想像しながら、取り合わせを考えてみる。
衣替えは、季節の節目を感じながら、深まっていく秋へと気持ちを向けるよい機会になります。
撮影:川崎市民団体Coaクラブ / PIXTA(ピクスタ)
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参考文献
淡交社『茶の装い』Vol.24「季節に合ったきものと小物」
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