
九月十八日頃は、七十二候の「玄鳥去(つばめさる)」。春に日本へ渡ってきた燕が、子育てを終え、暖かな南の地域へ帰っていく頃です。
「玄鳥」とは燕の古い呼び名。「玄」には黒という意味があり、その黒い羽の姿から、この名で呼ばれてきました。
燕は、私たち人間ととても近いところで暮らす鳥。春になると東南アジアなどから日本へ渡り、人家や商店の軒下などに巣をつくって雛を育てます。人の出入りがある場所は、燕にとってカラスなどの天敵から巣を守りやすい環境でもあると考えられています。
一方、人々もまた、暮らしのすぐそばで子育てをする燕を親しみをもって迎えてきました。害虫を食べる益鳥とされ、商店などに巣をつくることは「商売繁盛」の兆しとも考えられてきました。軒下に巣ができれば、糞の掃除などに困ることもありますが、それでも巣立ちまで見守った経験のある方もいるのではないでしょうか。
子育てを終えた燕たちは、河川敷などの葦原に集まって大きな群れで夜を過ごすようになり、やがて海を越えて南へと旅立ちます。
春の七十二候には「玄鳥至(つばめきたる)」。そして秋には「玄鳥去」。春に迎えた燕を見送りながら、季節の移ろいを感じる頃です。
撮影:四季写彩 / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『歳時記百科』(淡交社)
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