
八月も終わりに近づく頃、京都の町では、辻や路地に佇むお地蔵さまが花や提灯で飾られます。「地蔵盆(じぞうぼん)」は、地蔵菩薩の縁日にあたる八月二十三、二十四日を中心に、近畿地方、とりわけ京都で受け継がれてきた行事です。現在では、その前後の土曜・日曜などに行われるところも多くあります。
地蔵菩薩は、人々を苦しみから救う仏として信仰され、なかでも子どもを守る存在として古くから親しまれてきました。そのため地蔵盆も、子どもたちが主役となる行事です。
京都では、町内の辻などに祀られたお地蔵さまを地域の人々が大切に守ってきました。地蔵盆が近づくと、お地蔵さまをきれいに洗い、顔や衣を白粉や絵具で彩る「化粧地蔵」が見られるほか、新しい衣装を着せるところもあります。
当日は、お地蔵さまのまわりにテントや茣蓙、床几が置かれ、お菓子や果物などを供え、花や灯籠、行燈で飾ります。
子どもたちはお地蔵さまに手を合わせたあと、お菓子をもらったり、ゲームを楽しんだりして一日を過ごします。また地域によっては、大きな数珠を人々が輪になって順に回す「数珠繰り」が行われることもあります。
町角の小さなお地蔵さまを囲み、大人も子どもも集う地蔵盆。そこには、子どもたちの健やかな成長を願う祈りとともに、町のみんなで子どもたちを見守ってきた、地域のつながりが息づいています。
撮影:しまじろう / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
京の「地蔵盆」~行事内容など~ | 京の地蔵盆 | 京都をつなぐ無形文化遺産(京都市文化市民局文化財保護課)
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