どの道具であっても置いて手を離すその瞬間は、大切な人と別れるときのような気持ちで行うべきである。
ちょっと解説:
この一首が語っているのは、所作の終わりにこそ心を配ることの大切さです。手を離す瞬間は、動きの締めくくりであり、余韻として残るところでもあります。名残を惜しむように、静かに手を引く。そのわずかな違いが、所作全体の印象を大きく変えていきます。
利休百首に収められた和歌は、稽古の場や茶会の一瞬、そして日々の暮らしの中で、ふと立ち返るための言葉として詠まれてきました。一日一首、静かに言葉を味わいながら、自身の茶の湯の心と重ねてみてください。