
二十四節気「芒種」の初候にあたる七十二候「螳螂生(かまきりしょうず)」は、六月六日ごろから十日ごろにかけての頃を指します。かまきりの幼虫が姿を現しはじめる時期とされています。
かまきりは、秋に産みつけられた卵が「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる泡状のかたまりの中で冬を越し、春から初夏にかけて孵化します。この頃になると、草むらや庭先で小さなかまきりを見かけることがあります。
生まれたばかりのかまきりは数ミリほどの大きさですが、すでに前脚を折りたたんだ独特の姿をしています。脱皮を繰り返しながら成長し、やがて秋にはよく知られた姿になります。
かまきりは漢字で「螳螂」と書きます。古く中国には、
「蟷螂(とうろう)の斧を以て隆車(りゅうしゃ)の隧(わだち)を禦(ふせ)がんと欲す」
という故事があります。大きな車に向かって小さなかまきりが鎌を振り上げる姿をたとえたもので、「蟷螂の斧」という言葉の由来として知られています。
京都の祇園祭の山鉾「祇園祭」の「蟷螂山」も、この故事にちなむものです。南北朝時代、四條隆資(しじょうたかすけ)の勇敢な戦いぶりが「蟷螂の斧」のようだと評されたことから生まれたと伝えられています。
小さなかまきりの姿にも、夏へ向かう季節の歩みが感じられます。
撮影:makaron*/ PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『二十四節気で親しむ 茶の湯の銘』淡交社
蟷螂山|蟷螂山保存会 【公式サイト】
※参考文献のタイトルをクリックすると、【淡交社 本のオンラインショップ】に移動します。
※最新の価格・在庫状況はオンラインショップにてご確認ください。