初夏の陽気に包まれた、土曜日。月に2回行われる、お茶のお稽古に足を運びました。高田馬場にある「茶道会館」に通い始めて、今年で10年目に突入です。10年目と聞くと「もうベテランクラスだね!」と思われそうですが、2週間前に習ったお点前をキレイさっぱり忘れているのは毎度のことで、1年前に行った季節のお点前を「初めてですね!」とドヤ顔で言えてしまう自分にはいつも驚かされています。
つい先日のお稽古では、何度もお稽古している濃茶のお点前のできが悪すぎて、この日ばかりは笑いを通り越し、泣いてしまいました。見上げると、え!?先生の目にも涙が、、、と思ったら、どうやら花粉症の症状だったようです。ほっ。先生まで泣かしてしまうところでした。
大人になると、大半の時間を「できること」「得意なこと」に費やすようになります。その反動なのか、できないことを発見し、それを楽しむ余裕がいつしか生まれてくるのです。お稽古を楽しいと思えるのも、それが大きな理由なのかもしれません。楽しいからこそ続けられる。そして、10年目になってやっと気づいたことは、牛歩でも、お稽古を続けていれば、身体は必ず覚えていくということです。
そんなわけで、毎回、新鮮な気持ちでお稽古場に通う私をそっと見守ってくださる、先生方。毎年、新たな課題を見つけて、怠け者の私の背中をそっと押してくださいます。大好きなパンダを応援する「シャンシャン茶会」や、趣味の野球観戦をテーマにした「ベースボール茶会」。そして、今回の連載を機に提案してくださったのが「茶事」。茶事!?それは、事件です。茶事とは、お茶を続けていく中で、やがてたどり着くおもてなしのゴールのような場所。私が務めることになる亭主は、炭を準備する炭手前から懐石料理、濃茶、最後の薄茶点前まで、お客さまをおもてなしするためにおよそ4時間にも及ぶフルコースの茶会を準備します。先生曰く「トライアスロンです」。炭手前も未経験者の私が一年かけて目指す場所が突然、決まってしまいました。
『今日は茶事に向けて、まずは「続き薄茶点前」をお稽古しましょう』濃茶から薄茶までの流れを省略したお点前です。いつもよりも長い時間、点前座に正座していた私の足も頭もプルプルでした。まずは筋力アップから!足腰を鍛えるべく、明日からスクワットを再開します。
この日、茶室に掲げられていたお軸には「無心」の文字が。
「無心」とは禅語で「何事もとらわれない自由自在の心境」を表すそう。お茶のお稽古でも、先生の言葉を素直に受け入れ、「無心」な状態で一つ一つお点前に集中することを大切に。お客さまに至福の一服をお出しできるよう、次なる目標に向けてお稽古、頑張ります。
撮影:北見宗雅、はな




