
「山笑う」。春の山の様子を表した言葉です。
冬のあいだ静かであった山に若葉が芽吹き、全体がやわらいだ明るさを帯びる。青楓の葉がひろがりはじめ、山の表情が少しずつ変わっていくこの時期の景色を指す言葉です。
この言葉は、中国の画論書『林泉高致』に見られる「春山淡冶而如笑(春の山は淡くあでやかで、笑うがごとし)」という表現に由来します。山の変化を人の表情に重ねて捉えるところに、この言葉の特徴があります。
山の色合いがやわらぎ、光を含んだように感じられるこの時期の風景を、「山笑う」という一語がよく伝えています。
撮影:Bull / PIXTA
参考文献
『茶趣をひろげる 歳時記百科』淡交社
『淡交新書 茶の湯の銘 季節のことば』淡交社
郭熙『林泉高致』
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