
「酣(たけなわ)」という言葉の響きには、どこか心浮き立つような高揚感が宿ります。
物事が最盛を極め、最も輝く瞬間。
ここ京都では、ようやく厳しい寒さが影を潜め、朝晩の空気もふわりと和らぎ始めました。
街のあちこちで花がほころび、まさに「春酣(はるたけなわ)」と呼ぶにふさわしい、光あふれる時節を迎えています。
「宴もたけなわではございますが……」
そんな宴席の定型句でも親しまれているこの一文字。
お酒を醸し、熟成して飲み頃を迎える様子を語源に持つ「酣」の字は、どこか芳醇な香りを漂わせます。
あたたかな日差しの下、咲き誇る花々に酔いしれる。
そんな贅沢な春の情景に身を委ね、この好時期に誘われるまま、外へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

本日の和菓子は、好和さんの「春酣」です。
淡い二色のきんとんが織りなす彩りは、まるで春の霞に包まれた山々や、光に透ける花びらの重なりのよう。
そぼろの一つひとつが驚くほど細やかで、口に運んだ瞬間に、静かにとろけていきます。
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菓銘: 春酣
ご製: 好和
住所: 京都市北区紫野下柏野町17-2
器: ASTIER de VILLATTE(アスティエ・ド・ヴィラット)
撮影・文:日々に和菓子
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