床の見方が変わる床の名前を知ろう

茶室に入ると、まず目に入る場所があります。それが「床(とこ)」です。

床には掛物が掛けられ、花が生けられます。茶席の趣向や季節を表す、茶室の中心ともいえる場所です。

この床は、茶室の中に設けられた一つの空間です。その空間を構成している柱や落掛、床畳などには、それぞれ名前があります。ここでは、その名称を見ていきましょう。

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落掛(おとしがけ) 床の上部に渡される横木。床柱と相手柱のあいだに掛け渡され、床の空間の上部を形づくります。

床柱(とこばしら) 床を構成する中心的な柱。茶室の中でも、とくに見どころになる部分です。草庵茶室では赤松皮付などの自然材が好まれ、茶室の雰囲気を大きく左右する柱として大切に扱われます。

相手柱(あいてばしら) 床柱の向かい側に立つ柱。床の空間のもう一方を支える柱です。

落掛花釘(おとしがけはなくぎ) 落掛に打たれた釘。掛花入を掛けるときに用いられます。

中釘(なかくぎ) 床壁の中央に打たれる花入釘。茶事では後座で、この中釘に花入を掛けます。

床畳(とこだたみ) 床の中に敷かれた畳。荘物や花入、香合などを飾る場所になります。

床框(とこがまち) 床の縁に横たえられる部材。床と客席の境目を形づくる部分で、床縁(とこべり)とも呼ばれます。初期の茶室では黒塗の框が用いられていましたが、草庵茶室では丸太を使うなど、より素朴な意匠も取り入れられるようになりました。

 

床は、ただの飾りの場所ではありません。掛物や花、道具を通して、その日の茶席の趣向を表す大切な空間です。

席入りの際に、客がまず拝見するのもこの床です。

茶室に入ったとき、落掛や床柱、床畳といった部分にも目を向けてみてください。床の見え方が少し変わってくるはずです。

 

参考資料

『新版 茶道大辞典』淡交社
ポケット 茶人必携』淡交社

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