
十一月二日から、七十二候は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」。二十四節気「霜降」の末候にあたり、楓(かえで)や蔦(つた)の葉が赤や黄色に色づくころを表しています。朝夕の冷え込みが増し、山々や街の木々も少しずつ秋の色に染まっていきます。
楓は、秋が深まるにつれ赤や黄色に葉を染める落葉樹です。「もみじ」と「かえで」は別の植物と思われがちですが、植物の分類上はどちらも同じカエデの仲間。「もみじ」は草木が色づくことを意味する古語「もみず」に由来し、「かえで」は葉の形が蛙の手に似ていることから「かへるで」と呼ばれたのが始まりとされています。一般に葉の切れ込みが深いものを「もみじ」、浅いものを「かえで」と呼ぶことが多くあります。
一方の蔦は、木の幹や建物の壁などを伝って伸びるつる性の植物です。夏には青々としていた葉が、秋になると赤や橙色へと変わり、石垣や塀を美しく彩ります。
山から里へ、北から南へと少しずつ広がる秋の色。ふと見上げた景色から季節の移り変わりを感じるころです。
撮影:Nature Catcher Japan / PIXTA(ピクスタ)
参考文献
『茶趣をひろげる歳時記百科』(淡交社)
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