茶入の見方が変わる全体の形で見る茶入②

茶入には、果実や身近な道具など、その姿に似たものから名づけられた形が数多くあります。

前回(「茶入の見方が変わる|全体の形で見る茶入①」)に続き、今回も注目するのは「全体の形」です。

胴のふくらみや肩の張り方、裾の広がりなどに目を向けると、それぞれの形の特徴が見えてきます。

ここでは、全体の形に特徴のある9種類の茶入を紹介します。

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文茄(ぶんな)

文琳とも茄子とも決めがたい、中間の形をした茶入です。
【代表茶入:文茄(野村美術館蔵)】

 

瓢箪(ひょうたん)

瓢箪の実に似た形の茶入です。胴の下部が丸くふくらみ、上部が細長く伸びた姿をしています。
【代表茶入:稲葉瓢箪(静嘉堂文庫美術館蔵)、上杉瓢箪(野村美術館蔵)、玉津島瓢箪(徳川美術館蔵)】

 

茄子(なす)

茄子の実に似た、やや下ぶくれの丸い形の茶入です。古くから唐物茶入のなかでも最上位に位置づけられてきました。
【代表茶入:北野茄子(野村美術館蔵)、付藻茄子(静嘉堂文庫美術館蔵)、茜屋茄子(徳川美術館蔵)】

 

釣鐘(つりがね)

釣鐘に似た形の茶入です。肩から裾に向かって次第に広がり、底が平らになった姿をしています。瀬戸茶入に見られる形の一つです。
【代表茶入:広沢(北村美術館蔵)】

 

簞瓢(たんぴょう)

瓢箪を逆さにしたような形の茶入です。上部が大きくふくらみ、下部が小さくすぼまった姿をしています。茶入のほか、釜や水指、建水にも見られる形です。

 

蠟燭手(ろうそくで)

蠟燭に似た、背の高い形の茶入です。肩が張り、裾に向かって次第にすぼまった姿が特徴です。瀬戸茶入の窯分け名としても用いられます。

 

丸壺(まるつぼ)

胴が丸くふくらみ、口の下の甑(こしき)が長く伸びた茶入です。蕪(かぶ)に似た形で、甑の高いものと低いものがあります。
【代表茶入:石河丸壺(根津美術館蔵)、利休丸壺(香雪美術館蔵)】

 

瓶子(へいし)

酒を入れる器である瓶子に似た形の茶入です。胴の中央がくびれ、裾に向かって再び広がった姿が特徴です。

 

文琳(ぶんりん)

林檎の異名である「文琳」に由来する茶入です。林檎の実に似た丸みのある形で、茄子とともに唐物茶入のなかでも高く評価されてきました。
【代表茶入:本能寺文琳(五島美術館蔵)、葉室文琳(MOA美術館蔵)】

 

▶「茶入の見方が変わる|部分の名前を知ろう」の記事はこちらから

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▶「茶入の見方が変わる|底で見る茶入」の記事はこちらから

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▶「茶入の見方が変わる|全体の形で見る茶入①」の記事はこちらから

 

参考文献

『茶道具ハンドブック』淡交社
『新版 茶道大辞典 別巻』淡交社(絶版)

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